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睦化工のプラスチック射出成形入門


成形に使用する材料

クラス50000のクリーンルームプラスチック射出成形に使用される材料には ①熱可塑性樹脂と②熱硬化性樹脂の2種類があります。

①熱可塑性樹脂 加熱すると溶融軟化(この性質を可塑化という)し、冷やすと固まる性質を有する。※何度も溶かして固められる  ②熱硬化性樹脂 重合または、縮合という化学反応を伴って硬化した後は、再び熱を加えても、溶融も硬化もできない性質を有する。


主な熱可塑性樹脂の種類と性質

 樹脂名  性質 用途 
 ABS樹脂 電気的性質、成形性が良いスチレンにアクリルニトリルを加え、耐薬品性、耐熱性を向上。ブタジエンを加え、耐衝撃性を向上している。また、寸法安定性に優れている。 家電製品のキャビネット、自動車、事務機器、玩具、スポーツ用品など
 AS樹脂 ポリスチレンと同様透明性が良い、スチレンにアクリルニトリルを加えて、耐熱性、耐薬品性、機械的性質を向上している。 容器、日用雑貨、文房具など
 PA(ポリアミド) 摩擦係数が低く、自己潤滑性、耐摩耗性、耐薬品性、耐衝撃性に優れる。硬度が高く温度変化の影響を受けない。吸湿性が高く、寸法安定性が良くない。 ギヤ、ベアリング、ブッシュ、カムなどの機械部品。電気部品など
 PBT (ポリブチレンテレフタレート)。成形性が良く、PETと比較して耐衝撃性に優れるが、機械強度、耐熱性には劣る。 電気部品、コネクタなど
 PC(ポリカーボネート) 剛性が高く、耐衝撃性、引っ張り強さが高い。成形収縮率が小さい為、寸法安定性に優れる。熱変形温度が高いが、四塩化炭素に対して耐溶剤性に低く、ストレスクラッキングを起こしやすい。 風防や、レンズ、電気部品、ギヤなど
 PE(ポリエチレン) 熱安定性に優れ、成形性が良い。耐薬品性、耐寒性、耐衝撃性に優れる。
キャップ、中栓から、大型のコンテナーまで広く使用される。
 PET (ポリエチレンテレフタレート)。ペットボトルに使われているのがその名の通りPETである。耐摩耗性、耐薬品性、耐水性に優れ、熱膨張性が低く強靭である。 文房具、PETボトルに付いている持ち手もPET製である。その他、ブローボトル、繊維で広く使われる。
 PMMA(アクリル) メタクリル樹脂とも呼ばれる。表面光沢が良く、変色しにくい。機械的性質、耐薬品性、耐油性に優れている。 レンズ(光学系、自動車ランプカバー他)
 POM(ポリアセタール) 一般にジュラコンと呼ばれているのは製品名である。耐摩耗性に優れる。ナイロンと近い性質を持つが、耐水性、寸法精度はナイロンに勝り、耐摩耗性はナイロンより劣る。燃えやすい欠点がある。 ギヤ、自動車部品、電気部品など

 PP(ポリプロピレン) 耐熱性、耐候性、耐衝撃性、ヒンジ特製が良い。低温で耐衝撃性が低い。成形上は配向性が強い為、反りや変形を起こし易い。 キャップ(特にヒンジキャップ)、日用雑貨など
 PPO(変性PPO) または、変性PPE。機械特性、成形性、耐水性、電気特性に優れる、PCと比べると耐衝撃性ではかなり劣る。 コネクターなどの電気部品、医療機器など
 PPS (ポリフェニレンサルファイド)。耐熱性が非常に高く、200℃の条件下でも連続使用に耐えられる。耐薬品性、難燃性、機械的特性に優れる。 電気部品、自動車部品、ファンなど
 
 PS(ポリスチレン) 成形性が良く、透明性に優れている、電気的性質(絶縁性、高周波特性)、機械的性質に優れいている。耐衝撃性に弱く、割れ易い。割れ強度を増すために、ゴムを加えるとハイインパクトスチロールになる。 容器、日用雑貨、文房具、発泡してクーラーなど、断熱材に使用
 PVC(ポリ塩化ビニル) 塩ビと呼ばれ、一般に広く使われている。耐候性、耐薬品性が良い。自己消火性がある。 水道配管や継手(硬質塩ビ)などから、日用品一般

射出成形機の分類

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