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睦化工の成形不良対策


このページでは、射出成形入門書程度の成形不良の原因と対策と、弊社で起こったハプニングに対する処置などを盛り込んで作り上げてみました。

クラス50000のクリーンルーム主に射出成形条件に於いての対策を取り上げておりますので、設計段階(金型の改造を要するもの)、設備(機械の能力などに係るもの)上の対策についてはあまり触れておりません。成形条件設定の際に、不良が出て困った、何を修正したら良いの?といった時のヒントとお考え下さい。

尚、対策にはある局面から限定的に見たものもありますのでご注意下さい。従いまして、必ずしも求めていらっしゃった対策が見つけられないかもしれませんので、予めお断りしておきます。ご不明点や間違いにお気づきの場合はご一報頂けましたら幸いです


プラスチック射出成形不良とその対策

成形不良特性 原因 成形不良対策(原因の逆)
ショートショット
(充填不良)
充填された樹脂量が不足しているか、充填圧力、充填速度が低く、製品が完全な形状を形成する前に固化している。ノズルタッチからの樹脂漏れ。シートリングの割れ、ノズル詰まり。ランナー、ゲートの異物確認。エアベントの詰まり、潰れ。  計量値を増やす。射出圧力、射出速度を上げる。樹脂温、型温を上げる。スプルーブッシュの傷の確認、ノズルセンターのズレ、ノズルが短い←ロングノズル使用。シートリング交換。シリンダー~ゲート間での異物除去。エアベントの掃除、修正。
バリ(過充填) 計量が大きい。金型(P/L)の傷。型締め力<樹脂圧力×投影面積※難しい場合は射出圧力過大の解釈で可。射出速度が速い。樹脂の粘度が低く製品からはみ出す。  ショート、ひけ対策の逆。計量値を下げる。射出圧力、射出速度を下げる。型締め力を上げる。樹脂温度、型温を下げる。
ひけ(シンクマーク) 充填樹脂の不足(風船が十分に膨らまないイメージ)。射出圧力の不足。射出速度が速い。樹脂温度、金型温度が高い。冷却不足。  ショートショットの対策と粗同じ。計量値を増やす。射出圧力を上げる。保圧を上げる。樹脂温度を下げる。型温を下げる。冷却時間を延ばす。
ボイド(空洞) ひけと粗同様。材料の乾燥不足。  金型温度を上げる。射出時間を延ばす。材料の乾燥時間を伸ばす。シリンダー温度を下げる。
きれつ(クラッキング) 突出しスピードが速い。射出圧力、保圧が高い(結果離型抵抗が大きい)。金型温度、樹脂温度が低い。 樹脂温度、金型温度を上げて、金型内圧を低く保ちながら充填する。突き出しはゆっくりやさしく。
ひび(クラッキング) きれつとほぼ同じ。製品が過充填になると、残留応力で経時的にひびを生じることもある。  きれつ対策と同。
きず 射出圧力、保圧が高い。樹脂温雅低い。金型に返り(傷)がある。冷却時間が不十分。製品落下時の摩擦(金型と製品、製品同士)。梱包時の摩擦。運搬時の摩擦。保管時の積圧、荷扱の箱の変形による摩擦。  金型に抜きテーパーが少ない場合、突出し時に製品表面に傷が生じます。同じようにキャビティー内圧が高くても傷が発生するので、射出圧力、保圧を下げる。樹脂温、型温を上げるなど。成形条件とは外れますが、製品が暖かいうちに外部と接触するとその摩擦で傷が生じます。完全に冷えてからは比較的傷が付きにくい為、冷却時間を長く取るのも有効な手段。
ウェルドマーク
(ウェルドライン)
樹脂温度、金型温度が低い。射出速度が低い。その結果、樹脂の合わさり目に線ができる。ガス抜けが悪い場合は、先端だけが溶着して、ウェルド上に穴(ショートショット)を生じる場合がある。  樹脂温、金型温度を上げる。射出速度を上げる。ガスベントを掃除する。ガスベントを増やす。
フローマーク 樹脂温度が低い、金型温度が低い。射出速度が遅い。 樹脂温、金型温度を上げる。射出速度を上げる。
銀条
(シルバーストリーク)
射出速度が速い。射出圧力、保圧が低い。材料温度が高い。乾燥不足。異材の混入。 射出速度を落とす。射出圧力、保圧を上げる。材料温度を下げる。乾燥時間を延ばす。材料内に異物確認。水漏れなど(冷却配管、製品駒)の発生はないか。
そり 射出圧力が高い。樹脂温度が高い。金型温度が高い。冷却時間が短い。突き出し速度が速い。 射出圧力を下げる。樹脂温、型温を下げる。冷却時間を延ばす。突出し速度を下げる。固定側、可動側の金型温度差を付ける。アニーリングを行う。
やけおよび黒条 樹脂温が高い。樹脂の滞留時間が長い。射出速度が速い。ガスベントが詰まっている。製品面に油などが付着している。  樹脂温が高すぎたり、シリンダー容量に対して、製品重量(計量値)が少ないと、滞留によって樹脂が分解する為、持し温度を下げる。射出速度を下げる。ガスベントの掃除または、追加。製品部の清掃。
ジェッティング 樹脂温度、金型温度が低い。射出速度が速い。  冷えた樹脂が製品部に飛び込まないようにする。樹脂温を上げる、型温を上げる。ゲート口の注入速度を遅くして、その後スピードを上げる。
はく離 樹脂温度、金型温度が低い。射出スピードが低い。保圧が低い。異材の混入。  樹脂温度、金型温度を上げる。射出スピードを上げる。異材の混入には徹底的な清掃あるのみ。
ゲート残り ゲートが固化していない為、切れる位置が安定しない。一般に保圧時間が長い、保圧が高い。冷却時間が短い。型開き速度が遅い。 射出時間の短縮(1時圧時間で充填を粗完了して、保圧時間を短くする)。冷却を延ばす。型開き速度を速く(ゲートカット時間を短く)する。※製品(型内密度)が満タンでないうちに射出を止めても、ゲート残りが発生することもあるので、この場合は射出時間を十分に掛けると直る。
色むらおよび分散不良 スクリュウ回転が速い。背圧が低い。 サイクル上(原価上)可能な限り背圧を上げる。スクリュウ回転は遅い方が効果あり。
Wショット 成形品の離型不良、製品の落下不良。ショートショットの金型内残留。ネジ製品でコア抜き(ネジ抜き)時間が短い。 エジェクターピンで突出しをしていて、ストロークも十分な場合は、連続突出しを掛ける。安全の為、製品取出機を使用すると、製品確認をしないと次サイクルに入らない。ショートショットの場合は(ショートの項参照)、成形条件(温度、圧力…大きくはこの2点)とゲート部その他に異物の確認を行う。ネジ抜き時間の延長。
ネジ山めくれ(マクレ) ネジ製品でコア抜き(コア回転)機構が付いている場合に、ネジが十分に抜ける前に突き出しが掛かると、ネジが引き出される。 ネジ抜き時間を延長する。ネジ抜き開始時間(または位置)を早くする。型開き速度の延長、型開きストローク延長。
 練込みおよび異物混入 樹脂温度の設定が高い。ショット重量が射出容量に対して小さすぎる。粉砕材の粉の混入。外部から、材料ホッパー、粉砕機、混合機に異物が混入する。  樹脂温度を下げる。小さい成形機(樹脂容量)があれば乗せ換える。3S、5Sの徹底で異物を徹底的に取り除く。
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成形不良特性(成形不良の名前)写真をクリックすると別ウィンドウが開き、大きな写真でご覧いただけます。

不良特性 内容 画像※遂次アップします
ショートショット(充填不良) 充填された樹脂量が(製品の容積に対し不足し)、製品が完全な形状を形成できない現象。
バリ(過充填) ショートショットの逆の現象、製品に対し、充填された樹脂量が多い為、余分な樹脂がはみ出している現象。P/L(パーティングライン)に発生するバリを横バリ、P/Lに垂直方向のバリを縦バリと言う。 プラスチック製エアゾール缶カバーキャップ画像横バリ横バリ プラスチック射出成形不良エアゾール缶用カバーキャップ縦バリ画像縦バリ
ひけ(シンクマーク) 製品の表面に(平であるべき所が)、凹みを生ずる現象で、一般に肉厚の部分に現れる。   
ボイド(空洞) ひけが表面に出るのに対し、製品の内部に空洞が生ずる現象。透明肉厚品に見受けられる。   
きれつ(クラッキング) 製品が内、外部から応力または衝撃を受けて割れまたはを生じる現象。   
ひび(クラッキング) 製品が内、外部から応力または衝撃を受けてひびを生じる現象。   
きず きずには、金型離型時に発生する傷と、製品落下時や、製品同士の摩擦によって生じる傷などがある。   
ウェルドマーク(ウェルドライン) 製品デザイン上の邪魔物(ピンや穴など)によって、充填中の樹脂は一度分裂し再び溶着する。その際樹脂温が低いと溶着部に筋が見える現象。   
フローマーク 充填された樹脂の流れ模様が製品表面に発生する現象。円形の製品で中心にゲートがある場合、波紋に似た外観となる。   
 銀条(シルバーストリーク) 製品の表面に樹脂の流れに沿った銀白色の筋が見える現象。 プラスチック射出成形不良特性シルバーストリーク画像
そり 金型から取り出した製品が(本来真っ直ぐのところが)反ったり、曲がったりしている現象(金型の固定側、或いは可動側のどちらかに傾向が現れる)。   
やけおよび黒条 シリンダー内で樹脂が滞留加熱して焼けを生じる現象、または、金型内の空気が樹脂圧で加熱発火し焼ける現象。 プラスチック射出成形不良特性ガス焼け画像1ガス焼け  プラスチック射出成形不良特性ガス焼け画像2黒条黒条
ジェッティング 製品の表面にミミズの這ったような跡がゲート部から見られる現象。   
はく離 製品が雲母状に薄い層になって剥がれている現象。   
ゲート残り ゲートカットの際に、製品側にゲートランド部が残ったり、糸を引いて、製品に残る現象 プラスチック射出成形不良特性ゲート残り画像
色むらおよび分散不良 製品単位で、色の淡いものと濃いものがある。着色材料の分散が悪く、マーブル状に濃淡が出る。多数個取製品で同一ショット内で色の濃淡が出るなどの現象。 プラスチック射出成形不良特性色むら画像色むら  プラスチック射出成形不良特性マスターバッチ材料分散不良画像 分散不良
Wショット 成形品の突出しが不十分な場合、製品が完全に離型しないで次のショットで金型に挟み込む。また、ショートショットが金型製品部に残り、次のショットでもう1度射出してしまう現象。 プラスチック射出成形不良特性wショット(製品2度打ち)画像2度打ち 
ネジ山めくれ(マクレ) 離型の際、ネジが引き出されて変形する現象。  
練込みおよび異物混入 シリンダー内で樹脂の滞留が進むと、スクリュウやスクリュウヘッド、ノズルその他の箇所に劣化物(コゲ)が溜まる。これが計量時に剥離して製品内に練りこまれる現象。また、外部から、成形材料に溶け合わない材質のもの(ゴミなどの異物)が混入しても練込みと言う。 プラスチック射出成形不良特性異物練込(黒点)画像
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